ソーシャルビューティフォト メイクから撮影までをすべてトータルで行います

介護美容写真家®︎として高齢女性をメインに写真撮影をしています。

今日から30回に分けてシニアポートレートについてブログを書いていこうかと思います。

「高齢者をキレイに撮りたいな」と思っている人の参考になれば嬉しいです。

第1回目は

高齢者を美しく撮るための基本3ポイント(光・角度・距離)

私が現場でいちばん大切にしている「光・角度・距離」のお話を、やさしくまとめます。

シワやお顔の凸凹は、その方の歩みが刻まれた大切な個性。

美しさは「影がどこに、どのくらい出ているか」で決まります。

だからこそ、強い光でコントラストを作りすぎず、柔らかい光で包みながら影の位置をコントロールしていきます。

光について

  • 基本は「大きく・柔らかく・方向性あり」。窓光ならレースカーテンを一枚かけて拡散し、顔の45度・やや上から当てるのを基本に。光が当たる側と反対側にうっすら影が落ち、鼻下に薄い影ができると、自然な立体感が出ます。この時ポイントなのはほうれい線などのシワの影がどう出ているか確認しながら光の位置を決めましょう。
  • 強い直射光は影が濃く出て年齢感を強調しやすいので避けてください。自然光ならカーテン、ストロボを使うなら乳フューザーの距離を話たり、バウンス光など柔らかな光で包み込むように。
  • キャッチライトは瞳の10時か2時の位置に小さめに入れると、落ち着きの中に艶が生まれます。

角度について

  • カメラ位置は目線より約2〜5cm高く。
  • 高齢になると顎が上がってしまうので、ほんの少しだけ下げてもらうと、フェイスラインが締まり、首のシワも和らいで見えます。この時「顎を引いて」というと二重顎になってしまうので一回俯いていただいてから顔を上げてもらいちょうどいい場所を一緒に確認するといいでしょう。
  • 肩はカメラに対して30〜45度。会話の中で「利き顔」(左右どちらが得意か)を見つけ、良い側を前に。

   

距離はどれくらい?

  • レンズは85〜135mmの中望遠が安定。被写体から約1.2〜2m、背景とは1.5m以上あけると、圧縮効果で上品にまとまります。
  • 広角で近づくと歪みが出て、顔が長くなったり手が大きく写ったりするので注意してください。必ず望遠側で撮影してください。

   

さらにひと工夫

  • ポッチャリさんには黒レフを顔の片側に寄せ、わずかに陰を足すと「陰で痩せる」効果で自然に引き締まります。
  • 逆に痩せていて輪郭に影が出やすい人には白レフで光を回してあげるとふっくらとして優しい雰囲気に撮影できます。
  • 背景はお顔より少し暗めにすると主役が際立ち、高級感が出て、肌がきれいに見えます。

「光 → 角度 → 距離 → 表情」。この順番で整えていけば、安定して美しく写せます。現場で迷ったら、まず光から。

一緒にやさしいポートレートを育てていきましょう。