介護美容写真®️ 山田真由美です
長年、シニアの方々のメイクと撮影に携わってきた中で、私が最も大切にしているのは「自然な美しさを引き出すこと」です。写真は一瞬を切り取るものだからこそ、その人らしさを損なわずに、最高の表情を残したい。今日は、私が実践している5つのコツをお伝えします。

1つ目は「光とメイクの連動」です。
撮影時の光の方向や強さに合わせて、メイクの濃淡を調整します。
光が当たるとチークやアイブロウの色も飛びやすくなります。
シニアに限ったことではないのですが、例えば、窓からの自然光で撮影する場合、光が当たる側の頬は控えめに、影になる側には明るめのハイライトを入れる。これだけで顔全体が均一に明るく見えます。
スタジオ撮影なら、撮影した写真をモニターでチェックした後に飛んでしまった部分を確認してメイクの仕上げ方を変えています。
2つ目は「質感のコントラスト」です。
シニアの肌は、若い頃とは違う独特の質感があります。それを否定するのではなく、戦略的に活かすのです。
Tゾーンにはセミマットな質感、頬骨の高い部分にはツヤ感を出す。
この「マット×ツヤ」の組み合わせが、写真に立体感を生み、年齢を重ねた肌の美しさを際立たせます。ギラギラした質感のものはシニア特有の凹凸のある肌に乗せるとあまり綺麗に映らないので控えた方がいいかなと思います。
3つ目は「色温度への対応」です。
撮影環境によって、肌の色が変わって見えることをご存知ですか?
自然光は青白く、室内の電球は黄色っぽく写る傾向があります。
私は撮影場所の光の色に合わせて、ホワイトバランス(色温度)を調整して撮影しますが
下地やファンデーションの色味を微調整することもあります。特に70代以降の方は、少しオレンジピンク寄りの下地を使うとくすみの改善と血色感が出て、写真映えします。
4つ目は「表情筋ウォームアップ」です。
メイク前に、簡単なフェイシャルトリートメントを行うことでリンパの流れが改善されお顔がシュッとするのですが。
「あ・い・う・え・お」と大きく口を動かしたり、目を見開いて閉じる動作を繰り返してもらうだけでも、顔の血行が良くなり、メイクのノリも表情の豊かさも格段にアップします。お顔の強張りが取れるので「撮影時の自然な笑顔にもつながるんです。
5つ目は「撮影タイミングの計算」です。
メイクは時間が経つと肌になじんできます。特にベースメイクは、塗った直後よりも少し時間が経った方が自然な艶が出ます。逆にリップやチークは撮影直前に重ね塗りして、鮮やかさをキープします。
「写真映え」は決して若作りではありません。その人が持つ本来の輝きを、最大限に引き出すこと。それが私のシニアメイク哲学だと思うのです。

次回の撮影で、ぜひこの5つのコツを意識してみてください。きっと、今までとは違う表情の写真が撮れるはずです。