シニア世代の肌をやさしく、美しく写すための「光づくり」をまとめてみました。
「大きく・近く・正面寄り」
シワは横からの硬い影で深く見えるので、面で包んでコントラストを下げるのがコツです。
自然光でふんわり

窓+レース
窓の近くで、被写体は窓に対して30〜45度。カメラはやや窓寄りから。レースカーテンを二重にして拡散、反対側に白レフで影を起こします。ライトの高さは目線と同じか少し上。光を“かすめる”角度にするとテカりにくいです。
逆光+白レフ
で透明感 窓を背にして後ろ髪にふわっと光を回し、胸元〜顔下に白レフを近づけて持ち上げます。露出は顔に合わせて+0.3〜0.7EV。フレアが出やすいのでフードも忘れずに。凹凸が目立ちにくい定番。
白壁バウンスの簡単ソフトボックス化
白壁30cm前に立ってもらい、壁側を向いてもらうだけ。壁全体が巨大ソフトボックスになって、どこでも均一でやさしい光になります。
小ワザいろいろ
和紙やオーガンジーを窓前にクリップで重ねると微細拡散で質感がまろやかに。膝上にタブレットの白画面を置けば下からの美肌フィル。白レフに薄ベージュの布を巻くとほんのり血色が足せます。
ストロボでもふんわり

基本のセッティング
1灯ベース(クラムシェル応用) 80〜120cmのオクタや透過傘を被写体から50〜80cmの位置にセッティング。
レンズの少し上、角度15〜20度で配置。光は顔の外側に向けて“フェザー”するとハイライトが丸く柔らかいです。
あご下に白レフで影を起こし、キーライトとフィルライトの差は0.5〜1段以内。
バウンスの活用
壁や天井にバウンス ストロボを背後の白壁や斜め天井へ向け、反射光を正面から受けます。
硬いハイライトが消えてシワも和らぎます。グリッドは使わず、広く回すのがポイント。
ダブルディフューズで、柔らかい影を
ソフトボックスの内布+前面ディフューザーで二重拡散。透過傘の前にトレペを1枚足すだけでも質感が一段上がります。
さらにプロテクニック
ごく弱い光量で、後方にリムライトを髪だけに当てて輪郭を分離。
頬に当たる迷光は黒フラッグでカットします。
設定
レンズ: 85–135mm、
絞り:f4–5.6、
ISO:100–400、
シャッタースピード:1/160–1/200(同調内)、
ホワイトバランス: 5200–5600K。
「強く遠く」ではなく「弱くして近づける」が鉄則です。