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先日、誤嚥性肺炎で入院していた義父が亡くなりました。

通夜、告別式、初七日を無事に終え、家族の立場から「遺影写真」について改めて考える機会となりました。

【情報は写真のみ】 

セレモニーホールで行われる通夜や葬儀では、祭壇には遺影写真のみが飾られます。

参列者はこの写真を通して故人を偲びます。

写真を前にお焼香し、その後に着席します。

大きくプリントされた遺影写真は、葬儀の間中、目にする唯一のイメージです。

義父の写真は義母とのツーショット。家族が撮影した笑顔のもので、一眼レフカメラで撮られていたため、画質は非常にクリアでした。 

「いい写真ですね」

という言葉は、参列者から家族に向けられる会話のきっかけとなっていました。 

高齢になると社会とのつながりが減ります。

義父は90歳でした。

参列者の中には10年ぶり、20年ぶり、それ以上に会っていない方もいました。

ですから写真が会話のきっかけとなるのは必然だなと感じました。

家族はその写真を撮影した時のエピソードを共有し、それが会話の広がりにつながっていました。

一時間ほどの間、多くの人が一枚の写真を見続けるというシチュエーションは葬儀の時にしかないのではないでしょうか。 

2021年に擬似葬儀をした際の私の写真。

【他の人の写真と比較してしまう】 

告別式が終わると、家族や参列者は火葬場に向かいます。

火葬場では、火葬を行う故人の写真が多数置かれていました。

置いてある写真はスナップ写真やスマホで撮影されたであろうものが多くを占めていました。

小さな画面では画質の違いが顕著ではありませんが、やはり大きくプリントすると画質に差が出てしまいます。

その際、私が感じたのは

「義父の写真はいいものだった」

という安堵感でした。

意図的ではないにせよ、写真が並んでいると他の写真と比較してしまうものです。

葬儀後に他の家族も同じような感想を持っていたことから、私がカメラマンであるからではなさそうです。

 

【長年飾られる写真だから】 

遺影写真は葬儀の時だけでなく、故人の存在の証としてその後もお部屋に飾られる方が多いかと思います。

長年飾られる写真は世代を超えて故人を知らない世代にも引き継がれます。

その写真はやはり、良い写真であって欲しいと思います。画質だけでなく、やっぱり笑顔の写真がいいです。

写真撮影した時の故人のエピソードを楽しく語れるようなそんな写真が残せたら、家族は後悔することもないのではないでしょうか。

そして、できればお元気なうちに撮影していただきたい

介護が必要になったり病気をしてしまうと容姿の変化はもちろん、写真撮影しようと声掛けしづらくなってしまうのです。

写真館で撮るきっちりした写真も良いのですが、家族や親しい友人と一緒に笑いながら撮る写真は本当に素敵な笑顔になります。

このような理由から私は、家族一緒の撮影をおすすめしています。

残された家族にとって後悔のない遺影写真を残していただきたいと、今回家族としての立場になり改めてそう感じたのでした。